ワクワク前進!研修講師・組織作りコンサルタント 山崎敏史のブログ

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こんな新入社員研修は必要か?

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今朝、いい天気で気分のいい通勤途中、また今年も見てしまいました。

ある会社の新入社員研修の一コマです。

とある主要地下鉄駅のメイン入口そばに、

ある会社の新入社員が10名ほどが、スーツ姿で一列に整列。

全員、肩にたすきをかけています。

たすきには◯◯◯◯社、企業名のロゴと「実習生」と。

全員一斉に「おはようございます!!」、

辺り一帯に響くようなゆっくりとした大きな挨拶からスタートします。

一糸乱れぬ姿勢で、まるでマナー研修のビデオのような45°の最敬礼。

だれかに向かって挨拶をしているのではありません。

ただ周辺に響き渡るような大きな声での挨拶です。

その後、一人ひとり挨拶が始まります。

「みなさまおはようございます!!私は◯◯◯◯・・・」

これもまた、大きなゆっくりとした声で。

部活の「声出し」を、激しくした感じです。

中に一人、少し恥ずかしそうにしている新人君がいました。

そりゃそうですよね。嫌に決まってます。

僕だったら、逃げるかも。

お聞きしたことはないので、この研修の目的はわかりません。

僕が推測するのは以下のようなことです。

自分の意志に関わらず行動することのトレーニング。

仕事のために羞恥心を捨てるトレーニング。

本来の自分以外の人格になるトレーニング。

どれも似たようなことですね(笑)。。。

ひょっとしたら、店の名前のPR??

確かにすごく印象には残ります。

毎年こんな新入社員研修をいくつか見る、ということは、

手段としては機能しているということなのでしょう。

本当にその企業が必要とする訓練(または広告宣伝)であれば、

方法としてはあり得るのでしょう。

でも強い引っ掛かりが僕には残っています。

彼らを「指導」する社員と思われる人たちがいました。

1人は、必死で声を出しマナー研修ビデオのようなお辞儀を繰り返す新人たちを、

ビデオで撮り続けています。

終了後、見ながらの指導があるんでしょうか?

そしてそれ以外に2人。

ちょっと離れて、腕を組んで、恐い顔をしてじっと見つめているのです。

“監視”ということなんでしょうかね。。。

にこにこしながら一緒にやるならいいと思うんです。

新人たちを励ましているならわかるんです。

新人たちの見本となって、大きな声を率先して出しているなら、

新人たちも頑張れるだろうなあと。

そりゃあないんじゃない?

残念な感じでした。

 

昔、我が家で飼っていた犬を、訓練士に預けたことがあります。

訓練の様子を見に行った時のことを覚えています。

訓練士さんは、犬に命令をする。犬が命令を聞かないと威圧する。

そして指示どおりに人間の横を歩く犬を淡々と見ている。

そして繰り返す。。。

その光景を思い出してしまいました。

 

もしかしたら、ほぼ憶測で実態は違う!ということがあるかも知れません。

でもあの光景を見た僕は、あの店で商品を買うことはないでしょうし、

就職を考える人に薦めることもない、ということははっきりしています。

組織ですから、指示・命令を自分の思考を入れずに実行する力も必要でしょう。

でもその目的を納得させてくれたり、率先して動いてくれたり、

一緒に動いて力づけてくれる先輩や上司は、もっと必要です。

いえ、これが企業の発展継続の大前提ではないでしょうか?

率先と力づけ、来週のテーマとします(^^)